大阪大学の北川教授の研究グループとの共同で進めているCREST量子技術プロジェクトに関する研究成果が、アメリカ化学会の国際的化学雑誌であるThe Journal of Physical Chemistry, Part Aに掲載されました。
トリプレットDNPに関して、ペンタセンをドープした安息香酸と混合することで、従来法ではペンタセンでドープできないセンサー分子を高偏極化する手法を世界で初めて開発しました。また、13Cスピンを位置選択的に同位体置換したセンサー分子を合成し、本手法を適用することで13C-NMR信号強度の飛躍的な増大にも成功しました。トリプレットDNPのNMR/MRIへの応用可能性を飛躍的に広げるとこができる重要な成果です。
論文題目:Dynamic Nuclear Polarization Using Photo-Excited Triplet Electron Spins in Eutectic Mixtures The Journal of Physical Chemistry, Part A2018, 122, 9670–9675(DOI:10.1021/acs.jpca.8b09934)>リンクはこちら
論文題目:Microscopic Behavior of Active Materials inside a TCNQ-based Lithium Ion Rechargeable Battery by in-situ 2D ESR Measurements ACS Applied Materials & Interfaces, 2018, 10, 43631−43640(DOI:10.1021/acsami.8b14967)>リンクはこちら
新しい論文が公開されました
当研究グループの新しい論文が日本化学会のリーディング・総合化学誌である Bulletin of the Chemical Society of Japan に掲載されました。
当研究室で開発した有機中性ラジカル分子、トリオキソトリアンギュレン(TOT)の際立った安定性や自己集合構造「π積層ラジカルポリマー」といった性質を、実験と理論の両面から解明しました。また、TOTの置換基変換による化学修飾の多様性が安定性や電子授受能、固体物性に与える影響について調べました。本論文は森田教授の2016年の日本化学会 第33回 学術賞のAward Accountsです。
当研究グループではTOT誘導体を用いた有機二次電池や電気伝導体、磁性などの様々な電子機能について研究しています。本論文はその全ての「基礎・根幹」となる部分について論じており、その基礎をもとに今後も様々な機能開拓を行っていきます。
論文題目:Trioxotriangulene: Air- and Thermally Stable Organic Carbon-centered Neutral π-Radical without Steric Protection
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 2018, 91, 922–931(doi:10.1246/bcsj.20180074)
BCSJ誌のサイトからOpen Acessでダウンロードできます。>リンクはこちら
4月4日にProfessor Maurice Médebielle(フランス リヨン第一大学)が当研究室を訪れ、フッ素化合物を使った有機合成化学・有機反応化学についての最新の研究成果について、英語での講演をしていただきました。森田教授、村田准教授らとの活発なディスカッションが行われました。
写真は講演会後の歓迎会のものです。