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つくばチャレンジへの挑戦


 私たちの研究室では、2009年4月からつくばチャレンジへ挑戦すべく、屋外用自律移動ロボットの製作を開始しました。つくばチャレンジとは「人とロボットが共存する社会を目指して」という言葉をキャッチフレーズに自ら考え行動するロボット(自律移動ロボット)が実際に人が生活する街の中で、速度を競うのではなく、「安全かつ確実に動くこと」を目指す技術チャレンジです。具体的には、つくば市の公園や歩道などで構成されたコースを人に対して安全であり、スタートからゴールまで確実に動くロボットのための技術開発が目的です。

 つくばチャレンジは、大学や企業、研究所などの研究チームから個人までが参加しています。また、参加した各チームの技術はできる限り公開していきます。これは、お互いの技術情報を公開・共有し合うことで、未来のロボット技術の発展につながると考えられているためです。

 このページは、技術情報の公開は元より、自分たちの開発記録を残すことも目的としています。

2009年8月12日(水)
ロボットの基本構成が決定
4月からチームを立ち上げてから4カ月。何もしていなかったわけではなく、各自がルールを調べたり、基本的な技術を習得したり、昨年までの参加チームの機体を研究したり、とそれなりに活動していた。ただ、これまでは個人個人がばらばらで動いていて、全体としてどういう機体を製作していくか、というコンセンサスが取れていなかった。

先日のコース見学から課題の難しさを改めて認識し、完成させるまでに時間がないことがよくわかったので、前期試験が終了して一段落したこの段階で、全員でディスカッションをしながらロボットの基本構成を決めることにした(1名、外部からゲストを招きながら)。

機体のベースは、シニアカーのエブリー(右上図)を使うことに前々から決めていたので、これを使用。大会まで日数がないので、足回りはエブリーについている速度制御ボックスをそのまま使用予定。で、これをばらして物を置けるようにしたのが右下図。エブリーはほぼ100kgあったのを、椅子などを取っ払って約20kgの減量(?)に成功。といっても、重量をちゃんと測ったわけではないんだけど。この上にPCやらセンサやら載せるのだけど、組み込み用のPCを使うのでPCの重量はさほど気にならない。センサ等々の重さを考えても何とか制限重量以内に収まる予定。

搭載予定のセンサなども大筋決まったのだけど、まだ詳細を出すところまでは至らず。ということで、車体が一応完成した段階で公表する予定。


2009年8月4日(火)
現地視察会と要項説明会へ参加
8月1日(土)に今年度のコースの視察会と大会の説明会があったので、大学院生1名とはるばるつくばまで出かけて行って参加してきた。つくばに朝9時半に到着するためには、前泊しないといけないことが判明。今後、試走会に参加するためには旅費についても考えなければいけないな、と思った。

さて、現地視察会。右の写真は視察会の様子を撮ったもの(雰囲気を紹介したかったので、ロボットが写されているチームの方々、ごめんなさい。不都合があればご連絡ください)。大会委員長からコースの説明を受けながらコースを回る間にしっかりとコースをビデオ撮影(他のチームも然り)。その後も何度かコースを回って色々とみてきた。15時からは要項説明会で、参加チームの自己紹介もあったが、つくばチャレンジの課題について理解をさらに深めることとなった。

コースを実際に見てきて、改めてつくばチャレンジの課題の難しさを実感した。撮影してきたビデオを他のメンバーと一緒に見ながら色々とディスカッションをしたのだけど、二言目に出てくるのは「むずかしー」だったような気が…

2009年4月1日(水)
つくばチャレンジへ向けて始動

いよいよというか、とうとうというか、つくばチャレンジへ挑戦することにした。きっかけは、たまたま昨年参加したSI2008でつくばチャレンジ関係のセッションを聴講したのと、大学の先輩との雑談だったのだけれど。そこへ、これもたまたまMRC(マイコンカーラリー)関係で面倒を見ていた学生さんから「来年から一般の部門が縮小になる」との話を聞いて、「それならつくばチャレンジをやってみないか?」と声をかけてOKが出たのが全ての始まりだった。

高校時代にMRCをやっていた人で、現在つくばチャレンジに取り組んでいる人は意外と多いらしい(by 上記の学生さん)。ものづくりが好きな人にはもってこいのチャレンジだよなぁー、なんて思う今日この頃。なにせ、ロボットの機体は作らないといけないわ、制御ソフトは作らなきゃいけないわ…ハードウェアからソフトウェアまで全ての事がそれはもうお腹いっぱい経験できるチャレンジだもんなぁ。

今年度は初参加ということで、メンバーを少数精鋭(?)ということで絞ってみた。立ち上げの年なので、人が多すぎると逆にうまくいかないと考えてのこと。参加メンバーは、教員1名(私)、大学院生1名、4年生2名、3年生2名の計6名。うち4人は工業高校卒で、MRCやら何やらで色々なことを経験している人々。彼らがハードウェア設計の中心となることは間違いないと思われる。その一方で、元々ソフトウェアが専門の私。基本的には、学生さんの教育の一環として立ち上げたのもあるので、あまり手出し口出しはしないつもりだが、一応、制御ソフトの方針は担当しないとな。一から作ったロボットの制御はほとんど経験がないのだけれど、やるしかない!と腹をくくった今日この頃。