2.発光機構から見た発光素子の分類

図1 外部刺激と発光機構

励起対象が何らかの得るネギーをもらって、励起状態になった後基底状態に戻る際に余分なエネルギーを光エネルギーとして放出すれば基本的には発光現象として観測される。(もちろん可視光でなければ目に見える発光とはならないが。)

外部刺激に電気エネルギーを利用したものが電界発光であるが、電界としての強度(勾配)を利用したものが真性EL(電界発光)である。
1.電界で加速されたキャリアが発光種に衝突し運動エネルギーを与える。
2.格子に衝突し衝突電離を促進し、電子なだれから再結合過程が生じて発光が観測される場合もある。
両者ともに真性ELである。どちらにしろ高電界が必要となる。

 図2 無機EL素子の発光原理(真性ELの具体例)
マトリクス(ZnS)中にはキャリアがあり、それが電界印加とともにキャリアが加速される(エネルギー図で伝導体との距離が上に差があるものほどエネルギーが大きい)と発光中心の励起エネルギーを越える運動エネルギーで衝突した場合に発光中心は励起状態となる。失活とともに発光がでる。

 

それに対して、伝導体に陰極から電子が、価電子体に陽極から正孔が注入され、両者が再結合するとそのエネルギーが発光として観測される。半導体発光ダイオードはよい例である。ほぼこれと同じ発光機構で有機EL素子は発光するが、発光ダイオードと異なる点は、無機材料では再結合=発光であるのだが、有機材料では励起子と呼ばれる励起状態を経由してから発光する。

図3 キャリア注入型EL素子の発光機構

 

以上から明らかなように有機ELと比較すべきは、無機ELではなく半導体発光ダイオードである。