Tuba

 

チューバ。オケではなかなか出番そのものがかなり少ない楽器。

その大きさは管楽器中最大で、音量も最大(管楽器中最大、ということはオケ内で最大ということになる)。

それもトランペットやホルンのような楽器の抵抗を利用した高音の響きではなく、マウスピースに抵抗

がほとんどないので息そのものが音として出てくる。音域がかなり低いので、床を沿ってすべての人に下から聞かせる。

吹奏楽やブラスバンドでは間違いなく最低音を出すことの出来る楽器。(吹奏楽では形が

似た楽器にユーフォニアムという楽器が存在する。)

必要とされる息の量も管楽器中最大で、チューバ吹きにはまず腹式呼吸をマスターさせる場合が多い。

そうしなければ簡単に酸欠状態になる。チューバとはそういう楽器である。

当然、そんなチューバの役割は低音で、やはり決してかえのきかない楽器といえる。

しかし、オケでは同じ低音楽器のコントラバスの影に隠れがちな楽器

音域、運動性、共にコントラバスには及ばず、そのせいかオケではおそろしく出番の少ない楽器。

そもそもチューバのような圧倒的な音量の低音金管楽器は当時の曲の性質上必要とされなかったのである。

しかし、時代が変わり、ベルリオーズなどの登場によってオケにおいて大編成、大音量がもとめられるようになった。

幻想交響曲では2本のチューバが使われ大活躍する。(最ももともとはオフィクレイドという楽器が指定されていて、

チューバはその代わりに用いられているのだが。)

チャイコフスキーの1812やスラブマーチなどもとても印象的だ。

しかし、ほとんどの楽曲において本当に出番の少ないチューバ、しかしたいていのチューバ奏者は「そういうものだから」

と割り切っている場合が多い。特に強い忍耐力を誰もが持っているわけではない。しかし誰もが割り切ってしまっているのだ。

ちなみに、演奏中では打楽器奏者に次いで本当に楽しそうに吹いている姿が印象的。

ヴァイオリンなどのメロディ楽器奏者には絶対に分からない楽しさが、低音にはあるのである。

 

 

 


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