ユーフォニウム

 

「ユーフォニウム」な、なんだその楽器は・・・・というくらいマイナーな楽器。

オケをやってる人でも、名前を聞いたことない人の方が多いくらいだ。

持ち替え楽器でもないこの楽器がここまでマイナーな理由はこの楽器が

オーケストラ編成に含まれていないからである。

「ユーフォニアム」とも呼ばれるチューバを小さくしたようなこの楽器の本来のポジションは吹奏楽である。

音色はホルンととても近い感じのまるい音がする。しかしマウスピースがチューバに近く、大きく膨らんでいる。

この形の特徴として、唇に負担がいきにくいかわりにより多くの息を必要とする。が、チューバほどでないのは言うまでもない。

あらゆる点で音が出しやすく吹きやすい。楽器としての性能は金管楽器の中で最も高いといってもいい。

しかし、これほどまでの楽器がオーケストラ編成に含まれず、ここまでマイナーな楽器に

成り下がった理由は、この楽器の誕生の遅さにある。

この楽器が現在の形に納まったのは、1930年代イギリスであった。

参考までに、チャイコフスキーは1893年、ブルックナーは1896年、ブラームスは1897年

ドヴォルザークは1904年、マーラーは1911年にそれぞれ永眠している。

ロマン派を代表する作曲家のほとんどが亡くなってからこの楽器が誕生したことがわかる。

しかし、実はユーフォがオーケストラ編成に加えられることはある。

有名なところでいうと、R・シュトラウスの「ドン・キホーテ」、

ホルストの「惑星組曲」にも実はこの楽器は存在する。しかもソロ楽器で。

クラシックでは「テナーチューバ」と記されることの多いが、それは紛れもなくこの楽器のことである。

この楽器の奏でるソロは独特で圧倒的。もう少し早く生まれていたらコンチェルトも存在していたかも知れない。

マイナーであまり日の光を浴びるのことのない楽器ほど、実際歌わせてみると

ものすごい音色を隠し持っていたりするものだ。

 

 

 

 


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