Oboe
今は2楽章、ダブルリードとそのスレンダーな身体から鳴り響くはブラームス。
全てを忘れ、あらゆるものから解放されるようなEdur。
深い深いところから先に、少しずつ浄化されてゆくような音楽、
幸福というものがもしあるのならばそれはきっとこの音楽の少し先に存在するに違いない・・・・
この手の旋律、フレーズを歌わせたらはっきり言ってオーボエの右に出るものはいないだろう。
個性的で、少しわがままだが、優しさと強さを合わせ持つ。
その美しい音色に与えられたメロディは数多く、当然オーケストラでこのオーボエに与えられた役割は
「メロディを美しく歌うこと」であることは、以前書いた通りだ、
フルートも役割的には同じで、どちらも非常に美しい音色であることに変わりはないのだが、両者の音色は極端なまでに別物だ。
フルートが何も加えない、もともと息がそのまま美しさになったものだとしたら、
オーボエはその息にあらゆるものを加え、または削り、最も美しい形として鳴り響かせるもの。とでも例えられるだろうか
持ち替え楽器のイングリッシュホルンも素晴らしい音色だが、それとはまた違った美しさがこの楽器にはある、
しかし、オーボエはこと「楽器を吹く」ということに関していえば、楽器の中では間違いなく
最も難しい、最大難易度を誇る楽器である。
最も難しいが吹いていて最も楽しい楽器。やりがいは確実にある楽器ではある。
余談だがブラームスのヴァイオリン協奏曲の2楽章は、あまりにも美し過ぎるオーボエがそこにいる。
ドヴォルザークもオーボエを非常に上手く使う作曲家だ。
現在、愛工大オケには優秀な団長がひとりでまかなっている。
次の課題はPを上手く吹くこと、であろうか。