研究内容

最近の研究テーマ

  1. 接合形式を並列2丁使いとした山形鋼ブレースの繰り返し載荷実験
  2. 鋼構造建築物の耐震部材として用いられることが多い山形鋼ブレースに対し,地震の揺れを模した繰り返し変形を与える実験を行います.山形鋼ブレースの接合形式には以下の図に示す3種類があり,このうち並列2丁使いを採用したブレースが過去の地震で破断している事例が報告されています.

    本研究では,接合形式を並列2丁使いとした山形鋼ブレースの繰り返し変形性能を確認するとともに,実験結果に基づいて,地震後の建物の被害度合いを推定する方法を構築します.

    本研究の成果は日本地震工学会大会(2025年12月@沖縄)で担当学生の藤澤 響くんが発表し,優秀発表賞を受賞しました.有名国立大学の発表者が並ぶ中で当研究室の4年生がこのような賞を受賞できたことを,大変誇らしく思います.

    並列2丁使い山形鋼ブレースの繰り返し載荷実験(2025.4~6,2026.5~6)
  3. ピン接合とした梁端接合部の繰り返し載荷実験と数値解析
  4. 鋼構造建築物の梁にはH形鋼が最もよく用いられます.梁と柱の接合部,もしくは梁と梁の接合部において,H形鋼のウェブのみに高力ボルトを用いて接合したピン接合が採用される場合があります.ピン接合は,ボルトの配置によって曲げに対する性能(強度や変形能力)が大きく異なるため,溶接された剛接合と比べて未解明な点が多く残されています.

    本研究では,梁端ピン接合部のボルト配置や接合形式が接合部の性能に及ぼす影響を確認するために,梁に軸力を負荷した状態で接合部の繰り返し載荷実験および数値解析を行い,回転変形のしにくさ(回転剛性)を定量的に把握するとともに評価方法を検討します.

    梁端ピン接合部の繰り返し載荷実験(2026.5~6),数値解析(2026.9~)
  5. 大梁-小梁接合部ディテールに着目した小梁の横補剛性能に関する解析的検討
  6. 日本の建築物の耐震設計では,柱と接続された梁(大梁)の端部を塑性化させることにより地震のエネルギーを吸収させる塑性設計が一般的に行われています.ところが,大梁に大きな曲げモーメントが作用すると横座屈という破壊が生じることがあり,期待したエネルギー吸収能力を発揮することができません.大梁に直交するように小梁を配置すれば横座屈を抑制することができますが,大梁と小梁の接合部がどのようなディテールであれば良いのかは明確になっていません.

    本研究では,大梁と小梁の接合部ディテールを変化させた場合に,大梁の構造性能がどの程度改善されるのかを数値解析により検討し,接合部の設計方法の構築を目指します.

    大梁-小梁接合部ディテールに着目した小梁の横補剛性能に関する解析的検討(2026.4~)
  7. 生産工場への適用を想定した耐震補強骨組の実験と数値解析
  8. 大地震時,建築物に構造被害が生じると建築物の機能が維持できなくなります.2011年の東日本大震災では,企業が所有する生産工場に被害が生じたことで,復旧するまで工場の稼働ができず,大きな経済損失が生じました.このような事態は企業への影響だけではなく被災地での雇用や経済に大きく影響し,被災地復興の妨げにもなります.

    本研究では,生産工場への適用を想定した耐震補強骨組を開発した企業との共同研究として,実大骨組の実験により耐震補強骨組が保有する構造性能を明らかにするとともに,強度や剛性などの力学挙動について定量的な評価方法を検討します.

    生産工場に対する耐震補強骨組の繰り返し載荷実験(2026.6),数値解析(2026.9~)
  9. 既存木造住宅への鉄骨ブレース骨組の付加による耐震補強効果の検証実験(新潟工科大学との共同研究)
  10. 近年,人口減少や地方の過疎化に起因した既存木造住宅の空き家が多くなっており,空き家が放置されることで老朽化による倒壊の危険性や景観の悪化,地域コミュニティの衰退などの社会問題に繋がっています.国や自治体により空き家の利活用が進められているものの,築年数の古い既存木造住宅は耐震性能が不十分であることが多いため,多額の費用がかかる耐震改修が必要となります.耐震改修の費用対効果が明確ではない点が空き家の利活用を妨げています.

    本研究では,既存の木造住宅を想定した木造骨組に対して鉄骨ブレース骨組で補強した場合の補強効果について,実大骨組の実験を通して検証し,適切な補強方法や補強後の骨組の強度や剛性などの力学挙動を定量的に評価する方法を検討します.

    既存木造住宅への鉄骨ブレース骨組の付加による耐震補強効果の検証実験(2026.7)
  11. 拡大孔・スロット孔を用いたブレース接合部の実験および解析(国土交通省の大型プロジェクト(建築基準整備促進事業),大阪大学・東京科学大学・建築研究所との共同研究)
  12. 近年,建設業界の施工現場において,施工する職人の人手不足が深刻な問題となっており,作業効率化や省力化の推進,施工性の向上が求められています.鋼構造建築物では溶接や高力ボルトを用いて部材同士を接合しますが,高力ボルト接合であれば職人に高度な技術が要求されないため,比較的簡単に施工できる高力ボルトによる接合を積極的に使用することが期待されています.

    一方,高力ボルト接合の場合,部材にあらかじめボルトが通る孔を空けておく必要があり,その標準的な大きさは高力ボルトの直径+2mmとされています.しかし,部材の製作誤差や現場での建方誤差により,+2mmの孔の大きさでは部材同士の接合が困難になる場合があります.

    高力ボルトの直径+2mmの標準的な孔の大きさから,+4mm,+6mmと大きな孔(拡大孔)にできれば部材同士の接合がしやすくなりますが,その分部材の断面欠損が大きくなるため,構造性能は低下すると考えられ,実際にどの程度性能が低下するかは明らかにされていません.

    本研究では,鋼構造で耐震部材として用いられるブレースの接合部を対象として,接合部に拡大孔を適用した際の接合部の構造性能を定量的に把握するために,実大実験と数値解析を行います.

    拡大孔・スロット孔を用いたブレース接合部の実験(2026.10~),数値解析(2026.6~)
  13. 露出柱脚の破壊形式の違いによるベースプレートの反力分布への影響に着目した数値解析(豊橋技術科学大学との共同研究)
  14. 建築物に作用する外力は,梁や柱を通じて基礎や地盤まで伝達させることで反力がとれ,安定した構造となります.鋼構造建築物の柱の最下部(柱脚)では基礎コンクリートと接合され,その接合形式の1つとして,アンカーボルトを用いて柱脚のベースプレートと基礎を接合する露出柱脚が挙げられます.

    露出柱脚は施工が比較的簡単ですが,大地震時に生じる可能性がある破壊の形式は複雑で,未解明な部分が多く残されています.特に,破壊形式ごとの基礎コンクリートとの応力伝達の経路は明確ではなく,構造計算で仮定される応力状態にならない可能性があります.

    本研究では,露出柱脚を構成する鉄骨柱,ベースプレート,アンカーボルトの大きさを変化させた数値解析モデルを作成し,破壊形式を変化させた場合の基本的な構造性能やベースプレートが基礎コンクリートから受ける反力の分布の違いを検討します.

    露出柱脚の数値解析(2026.4~)

昨年までの研究テーマ

  1. 山形鋼ブレースの部分架構実験と数値解析
  2. 学校体育館などの耐震部材として多用されるブレースは,近年の大地震でも接合部における破壊が報告されています.本研究では,ブレースの取り付け角度が接合部耐力に及ぼす影響を実大実験と数値解析により確認します.暑い中での実験,お疲れ様でした.

    山形鋼ブレースを用いた部分架構の実験(2025.7~8),数値解析(2025.11~)
  3. コンクリート柱と鉄骨梁からなる十字形部分架構の数値解析
  4. 圧縮に強いコンクリートの柱と,柱スパンを確保して大空間を実現可能な鉄骨梁を組み合わせた異種材料からなる骨組は,構造的に合理性がある一方で,接合部での応力伝達が複雑となります.本研究では,コンクリートを柱,H形鋼を梁とした接合部を持つ十字形部分架構の数値解析を行うことで,応力伝達を観察します.

    コンクリート柱と鉄骨梁からなる十字形部分架構の数値解析(2025.6~)
  5. 柱梁架構とボルト接合された波形鋼板耐震壁の数値解析
  6. 免震構造では地震の揺れが伝わりにくいものの,ある程度の剛性が上部構造に求められます.通常は床スラブに用いられるデッキプレートを,耐震壁として利用できれば,部分的に剛性を付加することが可能と考えられます.本研究では,デッキプレートを用いた耐震壁の構造性能に与える接合部の影響を,有限要素法を用いた数値解析により確認します.

    波形鋼板を用いた耐震壁の数値解析(2025.6~)
  7. 溝形鋼ブレースの繰り返し載荷実験
  8. 鋼構造建築物の耐震部材として用いられることが多い溝形鋼ブレースに対し,地震の揺れを模した繰り返し変形を与える実験を行います.本研究では,実験結果に基づいて,地震後の建物の被害度合いを推定する方法を構築します.

    溝形鋼ブレースの繰り返し載荷実験(2024.5~6)
  9. 鉄骨小梁の端部接合部の実験
  10. 鉄骨構造における小梁は,大梁の横座屈を防止する横補剛材としての役割を担っています.小梁の端部接合部は,一般にピン接合部とみなされるディテールとなっており,曲げモーメントはほぼ負担できません.本研究では,小梁と大梁の接合部を対象に構造実験を行い,横補剛材としての小梁端部接合部の性能を評価します.

    大梁-小梁部分架構の実験(2024.6~7)
  11. 発泡材を用いたブロック塀の面外載荷実験
  12. コンクリートブロックを用いた塀は住宅の目隠し塀として使用されることが多く,大地震が起きる度に倒壊による事故が報告されています.道路側への倒壊により車両が通れなくなることで,復興が遅れたり人命が失われたりする原因になります.本研究では,このような問題を解決するために,塀を発泡スチロールのような軽量な材料で施工する方法を開発した企業と共同研究として,耐震性能を確かめる実験を行います.

    発泡材を用いたブロック塀の面外載荷実験(2024.7)
  13. 溝形鋼ブレースの取り付け角度に着目したブレース付き部分架構の実験
  14. 学校体育館などの耐震部材として多用されるブレースは,近年の大地震でも接合部における破壊が報告されています.本研究では,溝形鋼ブレースの取り付け角度がブレースの接合部耐力に及ぼす影響を実験により確認します.

    溝形鋼ブレース接合部の実験(2024.7~8)
  15. プレキャストコンクリート柱と鉄骨梁からなる十字形部分架構の実験
  16. 圧縮に強いコンクリートを柱と,柱スパンを確保して大空間を実現可能な鉄骨梁を組み合わせた異種材料からなる骨組は,構造的に合理性がある一方で,接合部での応力伝達が複雑となります.本研究では,プレキャストコンクリートを柱,H形鋼を梁とした接合部を企業との共同研究として考案し,十字形部分架構の実験を行うことで接合部の性能を確認します.

    プレキャストコンクリート柱と鉄骨梁からなる十字形部分架構の実験(2024.9)
  17. 様々な載荷振幅下における鋼材の繰り返し素材試験
  18. 鋼材の応力度とひずみ度の関係を正確にモデル化することができれば,数値解析シミュレーションの精度向上が望めます.本研究では様々な変形下での鋼材を対象とした繰り返し素材試験を行うことで,鋼材の疲労性能を確認するとともに,応力度とひずみ度の関係の履歴モデルを示します.

    鋼材の繰り返し載荷実験(2024.9~10)
  19. 波形鋼板を用いた耐震壁の数値解析
  20. 免震構造では地震の揺れが伝わりにくいものの,ある程度の剛性が上部構造に求められます.通常は床スラブに用いられるデッキプレートを,耐震壁として利用できれば,部分的に剛性を付加することが可能と考えられます.本研究では,デッキプレートを用いた耐震壁の構造性能を,有限要素法を用いた数値解析により確認します.

    波形鋼板を用いた耐震壁の数値解析(2024.9~)
  21. 高速度域における増幅機構付き減衰装置の性能確認実験
  22. 免震構造や制震構造において建物の揺れを抑える役目を果たすダンパー(減衰装置)の一種に,増幅機構付き減衰装置と呼ばれるものがあります.本研究では,増幅機構付き減衰装置に高速で繰り返し変位を与えたときの性能を確認します.

    増幅機構付き減衰装置の高速載荷実験(2023.4)
  23. 繰り返し軸変形を受ける溝形鋼ブレースの実験
  24. 鋼構造建築物の耐震部材として用いられることが多い溝形鋼ブレースに対し,地震の揺れを模した繰り返し軸変形を与える実験を行います.本研究では,実験結果に基づいて,地震後の建物の被害度合いを推定する方法を構築します.

    溝形鋼ブレースの繰り返し載荷実験(2023.5)
  25. プレキャストコンクリート壁の経年後におけるせん断耐力確認実験
  26. プレキャストコンクリート造は,工場でコンクリートを打設して現場で組み立てるため,工期の短縮が期待される構造です.しかし,部材を細かく切り分ける必要があるため,地震時には部材同士の接合部で破壊が生じることが考えられます.本研究では,プレキャストコンクリート壁の接合部を対象としたせん断破壊実験を行い,その終局強度を評価します.

    せん断破壊後のプレキャスト壁の接合部(2023.6~7)
  27. 強度の異なる鋼材の繰り返し素材試験
  28. 高層建築の柱材に使用される高強度鋼や,履歴ダンパーに使用される低降伏点鋼など,多様な種類の鋼材が開発されています.本研究では強度の異なる様々な鋼材を対象とし,繰り返し素材試験を行うことで,鋼材の種類ごとの疲労性能を確認するとともに,応力度とひずみ度の関係の履歴モデルを示します.

    鋼材の繰り返し載荷実験(2023.8~9)
  29. 山形鋼ブレースの接合部耐力に与えるブレース取り付け角度の影響
  30. 学校体育館などの耐震部材として多用される山形鋼ブレースは,近年の大地震でも接合部における破壊が報告されています.本研究では,ブレースの取り付け角度がブレースの接合部耐力に及ぼす影響を,実験により確認します.

    山形鋼ブレース接合部の実験(2023.10~11)
  31. 横補剛材としての小梁における端部ピン接合部の実験
  32. 鉄骨構造における小梁は,大梁の横座屈を防止する横補剛材としての役割を担っています.小梁の端部接合部は,一般にピン接合部とみなされるディテールとなっており,曲げモーメントはほぼ負担できません.本研究では,小梁と大梁の接合部を対象に構造実験を行い,横補剛材としての小梁端部接合部の性能を評価します.

    小梁端部ピン接合部の実験(2023.12)
  33. 超軽量コンクリートブロック塀の面外載荷実験
  34. 超軽量コンクリートブロック塀の実験(2022.10)