●各種粉体炭素材料の表面コーティングと電気化学的特性評価 |
リチウムイオン二次電池は正極にLiCoO2など、負極に黒鉛などの活物質をもちい、両極活物質の間をLi+が吸蔵・脱離する反応により電気エネルギーを取り出す原理で動作します。この際、Li+の吸蔵・脱離は活物質粒子の表面を介しておきるため、表面状態が特性を大きく左右します。 種々の表面修飾・改質による物性向上が検討されており、気相原料から固相膜をコーティングする CVD (Chemical Vapor Deposition)法を用いた炭素コーティングも特性向上に効果的であることが知られています。ただ、通常のCVD法の場合、粒子1つ1つにむらなくコーティングすることはなかなか困難です。 これに対し、本研究室では、CVI (Chemical Vapor Infiltration) 法、特に圧力パルスを利用したパルスCVI法という独特の手法を開発しております。この手法は、反応系の真空引き→原料ガスの瞬間充填→反応のための保持を1パルスとして所定の回数繰り返すもので、真空中に原料ガスがまんべんなく充填されるので、比較的簡単に均一なコーティングを行うことができます。パルスCVI法は、これまで繊維強化セラミックスの合成など、バルク体への適用がほとんどでしたが、現在、電池材料などの粉体コーティングへの応用を展開しております。 |
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