微分顕微鏡の開発

 微分フィルタによる位相物体の可視化技術を使用すると、生物試料等の透明物体の観測を行うための顕微鏡を作ることができる。この顕微鏡は微分干渉顕微鏡に似たものであるが、シンプルな構成で広い位相範囲を観測することができる。また、得られる画像は線形性がよく、定量化による3次元画像の構築に適している。

【実験】HeNeレーザを光源として平行光を作り、資料に当てる。その透過光をレンズで集光し、微分フィルタを通した後CCDカメラで観測する。

100μm程度のサイズの資料を本手法で観測した。微分フィルタを通すことにより、立体的な画像が得られた。サイズ20μm以下の点もはっきりと現れた。

微分フィルタを通さない場合 微分フィルタを通した場合

 さらに、この画像より積分操作を行って、3次元像を得ることができる。

像の光強度から計算した資料の3次元像