Bratsche
先日、うちの団員(木管の某K嬢)から驚きの新事実を聞いてしまった。
「ヴィオラがヴァイオリンよりも小さくて、ヴァイオリンよりも高音域が出る」と、
・・・・・・・・・・・・
上記でしめした通り、これはかなりマイナーな楽器である。
前の月9でヒロインがヴァイオリニストではなくヴィオリストだったらもう少し知名度も上がったのに・・・
皇太子様はヴィオリストなんですよ〜みんなもっと知って〜(笑)
見た目はヴァイオリンとほぼ変わらない。というか外見的には大きな違いはないと言ってもいい。
見た目こそ近いが、実際はどちらかと言うとチェロに近い存在。
第3ヴァイオリン的な感覚で思っている人は間違い。(たまに2ndヴァイオリンと同音域とかいう
意味の分からないことをさせる作曲家もいるが)
ちなみに豆知識。小さい子供がヴァイオリンを始める時、1/8サイズや1/4サイズのヴァイオリンを使うが、
実はヴィオラには小さいサイズの楽器は存在しない。
なぜか?需要がないからでしょそりゃ。どこの奥さんが子供にヴィオラを始めさせようと思う?(涙)
オケにおける役割はファゴットやオーボエ、チェロやヴァイオリン
といった低音楽器と高音楽器を繋げる役割を果たしている、ということは以前書いたとおりだ。
この”繋げる”という役割はもちろんオケにとって必要不可欠であるが、同時にこの役割を果たすことは実はものすごく難しい。
あまりにも個性的な高音楽器と絶対的存在の低音楽器。低音を説得することなどは不可能で、
かといって高音を説得するのにもあまりにも骨が折れる。とにかくわがままなのだ、あいつらは。
そこを自分らが妥協するし、折り合いをつけさせる。
みんな中音域の楽器にはもう少し感謝をしてよね〜(笑)
加えて実はこの楽器の場合、役割が作曲家によって大きく異なるのも特徴。
例えば古典だと、ほとんどがチェロやバスと同じ動きをすることが多く、時々2ndヴァイオリンと共演する。
例えばロシアものだと、ヴァイオリンのオクダーブ下で旋律ユニゾンを手伝ったりすることが多い。
それが少し時代が進むと、何故か”ヴィオラだけが単独の動き”という全く意味が分からないのが多く出てくる。
悪く言えば何をやらせても中途半端、しかしそれは逆に言えば何をやらせても幅広く役割をこなすことが出来る楽器。
個性派揃いのオケではこういう楽器が必要不可欠。
音域は弦が低いほうからC・G・D・A。
ヴァイオリンの一番高い弦がなくなり、その代わりに低い弦(ドが鳴る弦)が張られている。
その違いはたったの5度だが、実際に使用される音域は2オクターブ近く違う時もしばしば。
個人的に上のG以上の音域をヴィオラに求めないで欲しい・・・・
人の声に最も近いとされるヴィオラの音色。
ヴァイオリンが美しい音色と例えられるなら、
ヴィオラはもっと美しいものと例えれるだろう(笑)
この楽器の魅力が十分に発揮されている楽曲といえばモーツァルトの協奏交響曲以外ありえない。
スコルダトゥーラによってこの楽器の魅力が無限に感じられた瞬間が、この曲の2楽章カデンヅァにある。
またロマン派でいえばブルッフのクラリネットとヴィオラの協奏曲や、ヴィオラとオーケストラのためのロマンツェは
涙なしには語れない名曲である。
愛工大ヴィオラパートは今年絶滅危惧種に指定されていたが、先日一人入部。
危機は寸前で回避された。
彼には重い期待がかかるばかりである。
愛工オケで最も熱く、人数比音量では管楽器にも決して劣らないパート。
ん?ヴィオラにちょっと変わった人が多いって?
むしろこっちが普通で、他がズレてんじゃないの?(笑)
みんなもっとビオラに合わせてくださいよ(笑)
余談ですが、トップページの右写真はヴィオラです。ちなみにBratscheはドイツ語でのヴィオラ。こっちのがかっこよくない?ヴァイオリンと全然名前がちがうとこがw