Flute
フルートはもちろん木管の中では最高音域を誇る楽器(ピッコロもフルート族とする)
またオーケストラの中では、全く混ざるということを好まず、埋もれるなどもっての他、という主義の下に存在する楽器。
あらゆる楽器と音が混在するオーケストラには、こうゆう楽器が必要不可欠。
学級委員にこそなれないが、クラスの人気者、または中心人物としてその圧倒的個性を発揮し続けるタイプ。
いわゆる教師に一番に名前を覚えられるやつ、というところか。
音色は優雅で気品がある。気高くスマート。
運動性能も抜群で他の木管楽器を置いてきぼりにすることもしばしば。
その理由が、以前書いたようにこの楽器の発音原理にある。
他の木管楽器と違い、エアリード(つまりリードを使わず息だけで発音する。)なので、音色があのように優雅なものになる。
同時にタンギングなどもしやすいのだ。
そんなフルート、例えばビゼーの「アルルの女」や「カルメン」での活躍ぶりはさすがといわざるをえない。
一本の楽器がここまでホールを支配する。どこまでも優雅で気高い楽器だ。
気高いがゆえに、感情を表に出すことはあまりないと思われがちだが、彼女(または彼)が感情を出し始めたら
もう止めることは出来なくなる。
フルートに我慢させるようなことはオケとしてすべきでないということだ。普段から自由に自由に吹かせ、伴奏がそれに合わせる。
どこそこのお嬢様には好き勝手させてこそ、個性を発揮できる。
それがさせられるオケを、「上手いオケ」と呼ぶのではないだろうか。