Horn

 

鳴り響くは角笛。この楽器がベルをあげた瞬間、ホールは圧倒的な振動につつまれる。
あまりにも有能であまりにも絶対。
華やかな一面の裏にはかの兵器すらをも圧倒する破壊力を隠し持つ。
混ざりながら支え、埋もれながら聞かせるこの楽器がいかにオケにとって多くの役割を担っているかは言うまでもなかろう。
ブラ1の2楽章終盤では、独奏ヴァイオリンのオクターブ下を歌う。たった1本の弦楽器を決して消さずに支える、実にいい仕事をする。
一方でチャイコフスキーなどでは眠れる獅子の破壊力などを垣間見ることが出来よう。
ピアノ協奏曲1番と交響曲第4番の冒頭が非常に有名で印象的だが、
個人的には4番と5番の間の番号なしシンフォニー「マンフレッド交響曲」が
熱い、熱いのだ。

 

有能な楽器にありがちだが、吹きこなすのがとにかく難しい。
「世界で最も難しい金管楽器」として認定されている、とか。

一方で作曲家にとってホルンほど使い勝手がよく、

重要な役割を持つ楽器はほかにないだろう。それは、もう上記に示したとおりだ。

長い管長を生かし、他の金管楽器とは比べ物にならないほどの厚い音を出す。

ホルンは古典派の小編成が多い時代からもそのベルを上げ続けたことは以前にも書いたとおりであるが、

大編成の中でもその存在感は他の金管楽器と比べても劣る事はない。

ラッパが最前線で高音域を鳴らすのならば、後方からトロンボーンやチューバがしっかり和音を作り支えながらオケを鳴らしてくるのならば、

その間に挟まれながらも、このパートだけでフォルテをもうひとつ加えるくらいのエネルギーと個性を爆発させることが出来る。

 

現在愛工大オケには、2人の戦士がこの楽器と闘っている。

まずは一年生。有能な初心者の彼は今後の活躍に大きな期待!

安定感こそまだないが音量は十分出せるので枠にはめれればかなり伸びると期待される。

そしてご存知ラッパ隊の片割れと並んで(自称)愛工大イケメン2トップの前団長は現在まさかの休団中

今は療養に勤しんでください。

あぁ愛工大オケに角笛が鳴り響くのはいつのことか・・・

 

 


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