二種類のハフマン符合を同期させた
動的辞書圧縮に関する研究


925102中村 恵子
925123藤田 憲司
  • 概要
    近年の情報化にともなうデータ処理業務や通信網の拡大とともに、データの記憶・伝送に対する負荷が増加し、これに対応できるデータ圧縮技術の向上が求められている。さらにソフトウエアでのデータ圧縮、処理時間、メモリ量、圧縮率の点から、まだまだ検討の余地があり、様々な研究・開発に期待がもたれている。
    本研究では、動的ハフマン圧縮法と動的辞書圧縮法を採用し、効率の良い圧縮を試みた。入力文字列を動的辞書圧縮の増分分解によって部分文字列に分解し、その文字列情報と切りこぼしとなる単一文字を動的ハフマン圧縮を用いて符合化を行う。文字列情報は辞書項目で参照する。そして、辞書項目とASCII文字とそれぞれ扱う2つのハフマン木を用意し、動的辞書圧縮法と動的ハフマン圧縮法を同期させて圧縮を実現する。また、辞書が一杯になったときの処置としては、辞書木と辞書木に対応するハフマン木の両者を再初期化することとした。
    この提案法により、圧縮率、実行時間の向上を図り、効率の良いデータ圧縮を目指すものである。