生 態 学
Ecology
1AD 前期 2単位 必修
授 業 内 容
概 要 建設技術者にとって、生物学は次の二点から重要である。
まず、私たち人間も生物であって、人が作った人工的な環境から私たちの体が
受ける影響は、生物学を知ることで初めて理解できる。
次に、人が建設した人工構造物は、自然環境の中で生育・生息する生物に影響を与えるが、
その影響を理解するためにも生物学の知識が必要である。
この講義では、これら二点に関係する分野に重点を置いて生物学の基礎を解説する。(学習時間:23.5時間)
授 業 予 定
1回 授業の概要説明
2回 原核生物・真核生物:多様な現生生物を細胞の基本的なつくりから分類する。
3回 タンパク質:生物をつくる基本的な物質であるタンパク質の化学構造を学ぶ。
4回 呼吸と光合成:生物がエネルギーを出し入れする際の化学的なしくみを学ぶ。
5回 核酸:DNAとRNAの化学構造とその複製のしくみを学ぶ。
6回 遺伝暗号:DNAの情報からタンパク質を合成するしくみを学ぶ。
7回 染色体:染色体の構造と細胞分裂の際の変化を学ぶ。
8回 有性生殖と遺伝:染色体によって世代を超えて伝えられる遺伝情報について学ぶ。
9回 遺伝子の多様性:野生生物の個体群における遺伝子の多様性の重要性を学ぶ。
10回 神経と感覚:ヒトの感覚器官が周囲の環境をどのようにとらえて伝えるか学ぶ。
11回 内分泌・ホルモン・環境ホルモン:ヒトの内分泌系とその働きを乱す環境ホルモンについて学ぶ。
12回 免疫・アレルギー:ヒトの免疫のしくみを学び、アレルギーとエイズの発症のしくみを理解する。
13回 ガン・発ガン物質:ガンが遺伝子の変異に起因することとその発症のしくみを学ぶ。
14回 個体群・群集・生態系:野生の生物の間で起こる競争やエネルギー・物質の流れを学ぶ。
15回 地球の歴史と生物:生物の進化と地球の歴史との関係を学ぶ。
16回 定期試験
教科書 鈴木孝仁監修 「改訂版 フォトサイエンス生物図録」 数研出版
参考書 授業中に多数紹介する。
学 習 到 達 目 標
1. ヒトを中心に生物の体のつくりと機能の基本を理解し、また自然環境の成り立ちの基本を把握することによって、
建設技術者に関係する生物学的な問題の少なくとも基本を理解できる能力を身につける。
2. 次々に新たな問題が発生する分野であるため、卒業後も自学自習で継続的に学んで問題に対処するのに必要な
基礎的知識、考え方を習得する。
授業の方法と特徴
1. 要点をしぼったわかりやすい授業
毎回の授業の初めに「よくある誤解」と「ほんとうは」と題する二つの小文を示し、それをその回の要点としてその後具体例を示して解説する。
2. 理解の確認と復習
各回の授業の最後に用紙を配って簡単な質問をするので、その答を出席票に代えるとともに、
次回の授業で復習を兼ねて答の例を示す。さらにその用紙を使って自宅での再復習を課す。
この自宅での再復習は、確認のため予告なく再提出を求めるので、返却された質問用紙はそれまでの全回分を
整理して毎回授業に持参し、求められたらすぐに再提出できるようにしておく。
成績評価の方法
毎回の質問への答(4点×15回=60点)、レポート(8点1回)、定期試験(30点)で評価する。
また、学外協働実習、研究室の行事、大学祭実行委員など自発的な活動に参加した者へ1時間1点程度、
最大5点まで加点する。また、欠席5回以上、あるいはレポート未提出の者は、失格(Q評価)とする。
クラブ活動の試合、忌引、病欠、交通事故などやむを得ない理由による欠席は、公欠扱いとし、
定期試験の際に、欠席した回の質問用紙に回答すれば、4点満点で採点し、得点に加える。
ただし、所定の書類や証拠となる書面を提出あるいは提示すること。
これに対して、4年生の就職活動に伴う欠席は公欠扱いとはしない。
教員からのメッセージ
1. 授業の最後に書いてもらう質問への答は、ていねいに書いてほしい。
自分が理解したことを人に誤解なく文章で伝えることは技術者としての基本である。
2. レポートの課題は、授業中に紹介する参考書を読み、内容を要約し、感想・意見を書くことであるが、
課題に選んだ本に限らず、他の本も進んで読んでほしい。
附属図書館にはたくさんの生物学書が用意されている。
3. 授業予定の細かい変更など最新情報は、このページに掲載されるほか、
co-net.
にレポート課題など重要な指示を出すことが多いので見逃さないように。
4.授業内容が土木工学・建築学分野の学生を想定して組み立てられているので、
都市環境学科・建築学科外からの受講は許可しない。
この科目と土木工学専攻の学習・教育目標との関係
(A)社会奉仕と国際貢献を思考する技術者の育成:【5%】
(B)技術者としての責任・倫理観の育成:【10%】
(C)実践的応用能力を目指した土木専門知識と技術の育成
(D)環境・生態系・情報技術等ソフト面の知識と技術の育成:【70%】
(E)柔軟な発想と創造力に基づく問題発見・解決能力の育成
(F)論理的思考を礎とするコミュニケ−ション能力の育成:【10%】
(G)技術者としての自主性と継続学習能力の育成:【5%】
学習・教育目標の達成度評価
定期試験、および毎回の授業での質問への答によって、目標(D):【環境等の知識の育成】の達成度を
評価する。また、毎回の授業での質問への答(記述式)が一定の水準を満たすことで、目標(F):
【コミュニケーション能力の育成】が達成されたと考える。附属図書館を利用して、参考書を選び通読して
一定の水準のレポートを書くことで、目標(G):【継続学習能力の育成】の達成度を評価する。
目標(A):【社会奉仕思考の育成】および目標(B):【倫理観の育成】は、教材に含まれる新聞記事、
およびレポート課題の参考書について、毎回の授業での記述式の答およびレポートに、
社会奉仕および倫理観について記述することによって達成度を評価する。いずれの目標についても
評価点60%を合格ラインとする。
2013年前期 レポート課題、成績
2014年前期 レポート課題(生物学分野)、レポート課題(生態学分野)
内田臣一ホームへ戻る