2001年2月土木環境工学試験の解答例

配点:問1.各4点、計36点、問2.25点、問3.25点、計86点満点+出席13点+行事参加1点=100点満点
評価:A, 100〜80点(49人)、B, 79〜69点(44人)、C, 68〜62点(12人)、D, 60〜54点(6人)


問1.ア.a.(   )
     b.( 〇 )
   イ.a.( 〇 )
     b.(   )
   ウ.a.(   )
     b.( 〇 )
   エ.a.( 〇 )
     b.(   )
   オ.a.(   )
     b.( 〇 )
   カ.a.(   )
     b.( 〇 )
   キ.a.( 〇 )
     b.(   )
   ク.a.( 〇 )
     b.(   )
   ケ.a.( 〇 )
     b.(   )

問2.(答の一例)
 河川生態系の保全の観点からは、アユなど水産上重要な魚種だけでなく、 雑魚と呼ばれる経済的な価値が低い魚種や遊泳力が弱い稚魚も含めて、 通過が容易となるよう魚道を設計する必要がある。 これらの魚は、遊泳力や遊泳の様式がさまざまなので、 底の形状や流速が変化に富み、多種多様な魚種の遡上・降河に対応できる魚道の形式が求められる。
 このような要求と幅広く落差が小さい堰の形状から、 考え得る魚道の方式のひとつは、堰の一方の河岸沿いに粗石付き斜曲面を設置するものである。

問3.(答の一例)
 ダムによる洪水対策は、ある程度の規模のものを作れば、大きな効果が期待できる。 しかし、多くの場合、農地や民家の水没を補償するのが困難であり、 ダム下流の河川生態系に濁水や水温改変などの悪影響を及ぼす可能性がある。
 遊水地による洪水対策は、大きな効果を発揮させるためには、 既存の小田井遊水地(庄内緑地公園)よりもはるかに大きな面積のものを作る必要がある。 しかし、周辺が都市化して用地の取得が難しい庄内川では、少なくとも下流域ではそれは不可能に近い。 一方、遊水地は河川生態系には直接悪影響を及ぼさないと考えられ、 むしろ平水時に生物の生息場所(ビオトープ)として利用するならば、 流域の自然環境を豊かにすることも可能である。
 放水路による洪水対策では、すでに新川を放水路として機能させているにもかかわらず、 東海豪雨によって新川の堤防が決壊してしまったことからもわかるように、 大きな効果を発揮させるためには、もっと広い川幅の放水路を作る必要がある。 遊水地による対策での難点と同様に、これも用地の取得が不可能に近い。 しかし、同様に河川生態系への悪影響は小さいと考えられる。
 以上のことを考えると、生態系への配慮を重視するならば、 どれかひとつの対策によって洪水を防ぐのは難しく、 既存の河床を環境への悪影響を避けながら慎重に掘削するなど他の洪水対策に加え、 中流域で遊水機能を発揮できる土地を小規模でも確保するなど、 多様な対策を組み合わせていく必要があると思う。

(問2と問3では誤字・脱字は1件につき2点減点)


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