トップ>研究概要>縮合多環型πラジカル/2,5,8-トリ-t-ブチルフェナレニル
無置換のフェナレニルラジカルは非常に不安定であり、固体として安定に単離することができません。私たちはフェナレニルラジカルに嵩高い置換基であるtert-ブチル基を導入した2,5,8-トリ-tert-ブチルフェナレニル (2) を分子設計し、結晶として安定に単離することに成功しています (ref. 1)。このラジカル 2 は結晶中でp-ダイマー構造をしており、ヘリングボーン構造を有しています。磁化率や固体ESRスペクトルから、ダイマー内で非常に強い反強磁性的相互作用が働いていることが分かりました。
ref. 1) K. Goto, T. Kubo, K. Yamamoto, K. Nakasuji, K. Sato, D. Shiomi, T. Takui, M. Kubota, T. Kobayashi, K. Yakushi, and J.Ouyang J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 1619-1620.
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