トップ>研究概要>縮合多環型πラジカル/トライアンギュレン

縮合多環型πラジカル/トリアンギュレン

研究目的

トリアンギュレンはClar's Hydrocarbonの名で知られる平面共役系炭化水素ビラジカルである。量子化学計算によると、縮重軌道にそれぞれ一つずつのスピンが存在している。二つのスピンが存在する軌道同士はnon-disjointの関係にあるため、代表的な非ケクレ分子であるトリメチレンメタン同様、基底三重項状態となる中性ビラジカル種である。ビラジカル種であるが故に、非常に反応性が高く、分光学的な同定すらなされていなかった分子である。我々は嵩高いtert-ブチル基を導入することにより、世界で初めてトライアンギュレンの電子構造をESRを用いて解明した。シグナルの温度依存性から、基底三重項状態であることを実験的に証明した(J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 12702)。次の目標は単離である。現在さらに多くのtert-ブチル基を導入した誘導体の合成検討を行なっている。


(c) Copyright 2009 Morita Group. All Rights Reserved.