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文部科学省委託事業 平成21年度元素戦略プロジェクト
有機分子を活物質に用いた二次電池の高性能化と充放電機構の解明
研究代表者: 森田 靖(大阪大学大学院理学研究科)
採択事業者:大阪大学(森田 靖グループ)、大阪市立大学(佐藤和信グループ)、日本電子データム株式会社(現 日本電子株式会社)
概要:独自に開発した有機分子を二次電池活物質として用いた「分子結晶性二次電池」の性能の大幅な向上を目的とする。活物質となる有機分子の電子構造、結晶構造および充放電下における電子構造変化や電池デバイス化条件と各種の電池特性の相関を明らかにするために、新しいESR測定技術を開発する。また、各種の顕微鏡技術を用いて電極部位の微小空間変化を微視的に観測し、デバイス材料と作成条件の最適化に役立てる。
実施期間:平成21〜25年度(5年間)
研究業績
Organic Rechargeable Batteries with Tailored Voltage and Cycle Performance
Nishida, S.; Yamamoto, Y.; Takui, T.; Morita, Y.
ChemSusChem in press (DOI: 10.1002/cssc.201300010)
(2013.3.18)
安定開殻有機分子であるトリオキソトリアンギュレン(TOT)誘導体を正極活物質に用いた「有機分子スピンバッテリー」に
関する論文が、2011年10月17日、Nature Materials 電子版に Letters として公開されました。
TOTが有する 1 個のSOMOと 2 個の縮重したLUMOに由来する 4 段階の可逆なレドックス能を充放電に利用することにより、
既存のリチウムイオン電池の 2 倍の放電容量を実現し、さらにTOTへの臭素置換基の導入により、
リチウムイオン電池の 1.3 倍の放電容量と、出力電圧の向上、そしてサイクル特性を向上させ、
有機分子を用いたテーラーメード設計によるバッテリーの開発に成功したことが特筆すべき点です。
本研究の成果は、平成21年度元素戦略プロジェクト「有機分子を活物質に用いた二次電池の高性能化と充放電機構の解明」において、
当研究グループと大阪市立大学大学院理学研究科の工位武治特任教授・佐藤和信教授の研究グループとの共同研究により得られました。
是非ご一読ください。(2011.10.17)
Organic tailored batteries materials using stable open-shell molecules with degenerate frontier orbitals
Morita, Y.; Nishida, S.; Murata, T.; Moriguchi, M.; Ueda, A.; Satoh, M.; Arifuku, K.; Sato, K.; Takui, T.
Nature Materials 2011, in press.
この業績は、NHK おはよう日本、NHK WORLD、TBSラジオ、
読売新聞、日刊工業新聞、asahi.com
などで取り上げられました。
平成21年度から開始した元素戦略プロジェクト「有機分子を活物質に用いた二次電池の高性能化と充放電機構の解明」において、
我々が開発した安定開殻有機分子を活物質に用いた二次電池に関する論文が、Nature Materials に Letters としてアクセプトされました。
西田辰介 博士(平成 17 年 3 月当研究室で学位取得、現 大阪市立大学大学院理学研究科博士研究員)、
村田剛志 博士研究員(平成 17 年 3 月当研究室で学位取得)、そして上田 顕 博士研究員(平成 22 年 3 月に当研究室で学位取得)が中心となって行った研究です。
近日中に Web 上に公開される予定です。是非ご一読ください。(2011.9.9)