第30回日本オペレーションズ・リサーチ学会中部支部研究発表会 アブストラクト集, pp.5-8, 2003-3.
単旋律におけるギター押弦運指の最適化
林田 巧, 伊藤 雅
概要
ギターは有棹撥弦楽器である。
それゆえに、棹のようなネックを有し、その表面の指板上にて弦を押さえ、撥弦することによって音が発せられる。
各弦は音域が重なり合うように調律されているため、同じ音の高さが複数のポジションに存在している。
このため、音の高さと発音ポジションとが1対1に対応しているピアノ等の鍵盤楽器に比べ、ギターでは運指を見出すのが困難である。
なお、発音ポジションを見出す方法については、これまでも多数検討されている。
本研究では、運指割り付けの自動化を目的とし、運指の指定されていない楽譜において最適な押弦運指を求める。
対象を単旋律に絞り、最適なギター押弦運指を求める問題をギター運指最適化問題として定式化する。
楽譜に並ぶ音符は時系列に沿っているため、ギター運指最適化問題は音符を段階とする多段階決定問題として捉えることができる。
多段階決定問題を解くには、動的計画法(Dynamic Programming:DP)が有力であり、これを本研究の手法として採用する。