研究内容

本研究室では,高速空気力学に関連した,衝撃波,爆風,極超音速流,プラズマ流等の研究を行っています.

 

背景 粉体やスペ−スデブリ等の高速移動体との衝突干渉,Ho-YAGレ−ザで発生した衝撃波による脳血栓の破壊等,工学・医学応用に対する必要性が高まって来ている.また,爆発事故等によって生じる被害予測と対策は重要な安全管理項目である.しかし,大規模爆発で発生する爆風を野外実験により大規模爆風伝播を模擬する事は不可能かつ容易でない.一方,空気中の爆風伝播には一定の相似則があり,同様に非一様複雑構造媒体中の爆風・強い圧縮波伝播にも相似則が期待でき,微小爆薬の起爆で発生する爆風伝播を精査して大規模爆発を評価する事は有効な方法である.特に,フォ−ム,網,砂等の三次元的に空隙を持つ空間を伝播する衝撃波の減衰過程及び爆風環境緩和は,二次元配列の空隙のある媒体を過ぎる衝撃波の干渉問題とは異なる.本研究室では,複雑媒体中の衝撃波現象を解明する研究の一環として,フォ−ム中を過ぎる衝撃波の減衰を実験及び計算流体力学的に調べています.

目的 ポリウレタンフォ−ム,網や粉体の非一様複雑構造媒体中を伝播する爆風・衝撃波の過剰圧減衰過程,爆風環境の緩和効果を実験及び数値計算により調べている.目的が達成された時には,爆発現象,地震波及び体内中の伝播と非一様複雑構造媒体の組み合わせによる爆風・衝撃波環境の緩和効果を工学・医学応用する際の極めて有用な成果と,以降の研究開発の発展に格段に寄与できると思われます.

共同研究 東北大学,米国ケンタッキー大学,US NAVY

背景 ア−クプラズマ風洞は高温プラズマ気流(温度約3000K以上)により,工業用・医療用の有害廃棄物を融解・蒸発・昇華させ無害化させる事が可能である.又,各惑星大気圏再突入状態の実験シミュレ−ション,スペ−スプレ−ン等が超高速飛行した場合の高温高圧衝撃波による耐熱試験用風洞にも利用可能である.

目的 小出力45KW のア−クプラズマ風洞を用いて,高温プラズマ流の分光スペクトルから高温ガス(Air, N2, CO2)の振動温度と回転温度を計測し,ア−ク加熱気流特性の基礎研究を行っている.Huels型ア−クヒ−タとのア−ク放電方式による作動特性(気流温度,淀み点圧力と放電抵抗,放電電圧等の関係)とア−ク放電の高効率化について調べています.高性能大型ア−クプラズマ風洞の設計手法の確立とア−ク加熱方式の高効率化を図る事が目的であり,今後の風洞設計,性能向上,各惑星大気圏再突入状態の基礎資料として大きく資すると考えられる.

共同研究 名古屋大学,東北大学

モデルロケット頭部に設置することができる小型加速度計測システムを開発しています.また,モデルロケットの形状の空気力学特性を風洞実験により調べています.

新規に微小飛行体(昆虫など150mm以下の飛行体)の空気力学特性を数値流体力学を用いて,調べる予定です.また,米国Fluentの研究者ともタイアップして,今後研究を進めて行く予定

 
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背景写真:アメリカオハイオ州 Air show