ランダムドットフィルタを用いた点回折干渉計測

 点回折干渉計測(PDI:Point Diffraction Interferometry)は、コモンパスの干渉システムで、シンプルな構成で安定した干渉が得られる。PDIでは焦点で光をフィルタリングすることにより、球面波を発生して干渉を得る。構造が簡単で、コモンパスの干渉計なために安定性のよい干渉を得ることができる。しかしながら、微小ドットのフィルタを作る必要があるため、調整が難しいという欠点がある。そこでわれわれは、ドットがランダムに配置されているフィルタを使用することによりこの問題を克服し、焦点合わせの容易なシステムを提案、研究している。

【理論】フィルタ上には非常に細かいドットがランダムに配置されている。焦点がドットに合った場合、それによりできる球面波とドットの隙間を通った光が干渉する。一方、焦点がドットから外れた場合でも、ドットの間を抜けてできた球面波とドットにより吸収を受けた光が干渉を起こす。したがって、焦点がドットと合っても合わなくても干渉が得られる。

【実験】HeNeレーザを光源として平行光を作り、測定対象に当てる。その透過光をレンズで集光し、フィルタを通した後CCDカメラで観測する。

フィルタを通すと、干渉縞が得られた。

フィルタ透過前 フィルタ透過後