万博ロボット大集合
2005年8月16日

 8月15日、16日と、万博のEXPOドームにいろんなロボットが集結した。15日は、国内の色んなロボットコンテストの紹介がメイン(でも、ロボワンは無かったようだ)。そして16日は、午前中にIDC国際ロボットコンテスト万博ページ大学ページ)決勝、午後にはトヨタ、ソニー、ホンダなどの企業ロボットによるショーが開かれた。我々も、16日にドーム内にブースを作り、鉄人をメインに終日展示、デモを行った。前日の15日に万博閉演後ブースを設営。デモの確認を行った。ドームには補修されたロボワンリングを持ち込む。リングはたわみも無くなり、また鉄人2号もサーボを総入れ替えしてもらって安定性抜群。確認は短時間で終わる。しかし、それでも大学に戻ったのは夜中の1時過ぎ。翌日は朝7時に大学集合で寝不足気味。
 ブースを作ったのは他には三菱とキャノン。三菱は産業用ロボットアーム数台による同期デモ。国旗を振るだけなのだが、さすが動作はきれいだ。一見地味そうではあるが、思わず見入ってしまうお客さんが多かった。キャノンはHRP−1との記念撮影など。順番待ちの列ができていた。今回我々が持ち込んだのは、AIT鉄人2号、3号とモリゾーロボ。メインは鉄人2号による2足歩行ロボット操縦体験。鉄人3号もまだモーションは少ないのだがデモを少し行った。また等身大の鉄人28号(動かない)も持ち込む。こちらは大人に人気で、いっしょに記念写真をとる人が多かった。
 今回は小さい子でも簡単に操作ができるようにコントローラを工夫した。その結果、小学生低学年や幼稚園児程度でも、何も教えなくても自分たちで勝手にロボットを動かしていた。ブラックオックスを相手に戦いを挑む子供など、順番待ちの列が。やはり、子供に操縦してもらうには、鉄人2号程度のロボットの方が手軽で良い。鉄人3号の大きさ、パワーになってくると、危なくて子供には触らせられない。しかし、あまりの人気で鉄人2号の休む暇が無い。メインステージでショーが始まっても鉄人から離れない子供も。ASIMOやパートナーロボットがステージでショーをやっていて親御さんが呼びに来ても、鉄人の方が良いと。うれしい限りです。「将来愛工大に入って鉄人28号作るんだ!」という小学生も。うれしくて涙がちょちょ切れます。あまりに子供が集まっているためか、ショーを取材に来た報道関係者の人も、鉄人の方にも取材に来ました。
 しかし、子供たちはかなり乱暴な扱いをするため、鉄人2号にとってこれまでに無い過酷な状況に。遂に鉄人2号の足のアルミパーツが折れてしまった。あわてて応急処置。また、断線も起こり、終わりのころは腕の動きもおかしくなって鉄人2号はもうぼろぼろ状態。過激な動きはコントローラから削除すべきだったと反省。
 途中、午後のショーが始まる前にいったんお客さんはドームから出され、ショーのリハーサルが行われた。関係者ということで、このリハーサルも見ることができた。これは我々にとって色々勉強になった。一見安定に動いている各社の企業ロボットも、実際には結構関係者ははらはらしながら動かしているんだなというのが良くわかった。そして午後のショーが開幕。客席は満席。万博で活躍してるロボットたちによるパフォーマンスが行われた。最初はQRIOPaPeRoなど。QRIOの動きはきれいだ。受身などは参考になった。(でも、起き上がりは鉄人3号のほうが自然でスムーズだぞ)。そして、ガードロボムジローによる不審物の検出除去、ダンスロボットによる人との協調動作のデモなどがあり、やはり最後は2速歩行人型ロボットの登場。ASIMOの階段のぼり降り、HRP−2太鼓の演奏会津磐梯山踊りパートナーロボットによる演奏などが行われた。しかーし、大ハプニングが発生。もっとも起こしてはいけないロボットが、そのもっとも起こしてはいけないことをやってしまいました。あまりの悲惨な現場にASIMOも目を覆ってしまった(ASIMOナイスリアクション)。司会者もおろおろ。かろうじて出演していたコロッケさんが何とかフォローをしていましたが、貴重なものを見せてもらいました。ロボットの最先端技術を紹介するショーでしたが、まだまだ等身大の2足歩行ロボットには課題が多く、実用化にはかなりの研究が必要そうだなというのを感じたショーでした。

(追記:ロボットの惨事は、どうやらロボット自体の欠陥ではなく、不幸な事故であったようです。参考

 今回は、学生ベンチャーの可能性を探る実験的な試みも少し行ってみましたが、まずまずの感触でした。やはり課題はロボットの耐久性か。
 ということで、やっと万博イベントもすべて終了。これでやっと夏休みに入れます。しばらく休養をとってから、ロボワンに向けてラストスパートです。
 

前日夜中に会場設営 AIT鉄人2号、3号、モリゾーロボ
 
子供に大人気 足が折れてしまい、急遽補修