カメラ

 ロボットに適しているカメラには、主に2種類ある。CCDカメラとCMOSカメラだ。これらについても、愛知工業大学の電気系学科などの講義で習う。それぞれ以下のような特徴がある。(一般的な汎用カメラの場合。それぞれの欠点を改良した優れたカメラも中にはある)
 
CMOSカメラとCCDカメラの比較
   CMOSカメラ CCDカメラ
画質 ×
感度 ×
追従性 ×
消費電力
単一電圧動作
大きさ
価格
 
 
 性能的にはCCDカメラの方が優れている。携帯電話でも、上位機種ではCCDカメラが採用されていることが多い。しかし、AIT鉄人3号では、4ー5cm幅の頭部にカメラを2個搭載する予定。したがって、大きさが何よりも最優先。その点CMOSカメラが有利だ。CMOSカメラも最近はかなり改良が加えられてきているので、性能的にも大丈夫だろう。
 また、カメラモジュールを使うときに考えなければならないのは、出力フォーマット。ビデオ信号には、色々な出力形式があり、その分類の仕方もさまざまだが、まずアナログとデジタルで分けることができる。テレビなどはアナログで、通常ホビーで手に入るカメラモジュールもアナログが多い。しかし、コンピュータと相性が良いのはディジタル。アナログ信号をコンピュータにつなごうとすると、A/D変換が必要になる。
 また、その信号形式で大きく以下の4つに分かれる。
  • RGB
  • Y/色差コンポーネント(YUV,YCbCr,UYVY)
  • Y/C
  • コンポジット(NTSC,PAL,SECAM)
下に行くほど信号は劣化していく。たとえば、通常のテレビはコンポジット信号、ハイビジョンではコンポーネント信号が使われている。
 また、伝送方式も、以下のような種類がある、
  • パラレル
  • シリアル(SDI、IEEE1394)
パラレル出力は信号線数が多くなるため、長距離伝送には向かないが、高速性でシリアルに勝る。組み込み機器内部で使うには適している。小型化の点ではシリアルのSDIが勝っている。IEEE1394は家電で使われる伝送方式。
 ただ、カメラモジュールは少量販売してもらえるところがあまり無く、特にディジタル出力のものは入手が難しい。色々問い合わせても少量の購入は断られることが多く、ディジタル出力で購入できるものはあまり見つからなかった。そこで今回は、購入できるものの中で大きさが一番小さいカメラモジュールを使うことにした。特性は以下のようである。

タイプ CMOS
画素数 640×480 30万画素 VGA
サイズ 6mm×7mm×5.5mm
光学系サイズ 1/4.5
フレームレート 40fps
電源電圧 3.3V
出力形式 YCbCr
9bitsBayerRGB
8bitRGB
12bitRGB
パッケージ 20 pin CLCC, FPCB
イメージ処理
(シリアルコントロール)
・defect correction
・color interpolation
・color correction
・edge enhancement
・contrast stretch
・white balance
・exposure control
・color saturation
・ganma correction
 
 CMOSカメラの信号の処理にはFPGAを使用。カメラからの信号をFPGAを介してSRAMに一旦保存。その画像をやはりFPGAでハード的に高速画像処理を行い、処理結果のみをシリアルでメインCPUボードに送っている。また、モニタ用にVGA出力の機能も持つ。

画像処理回路