ジェットエンジン

 人型ロボットを飛ばすために、ジェットエンジンをロボットに搭載して飛行を実現している。
 ジェットエンジンとは、空気と燃料を混合して燃焼させそれによって生ずる高温・高圧ガスを噴射して推進力を得るエンジンのことをいう。一番よく知られているのは飛行機のジェットエンジンですね。本プロジェクトで使用しているジェットエンジンは基本的にジャンボジェットと同じ構造のエンジンです。(ちなみにロケットエンジンは酸化剤と燃料を燃焼させるエンジン。そのため、空気のない宇宙でも飛べる。)
 
 その動作は以下のよう。
  1. エンジン前部の吸気コンプレッサーで空気を圧縮
  2. ポンプから送られた液体燃料が気化し、圧縮空気と燃焼器内で混ぜられて燃焼
  3. 燃焼で生じた高温高圧ガスが排気タービンを回す
  4. 排気タービンは吸気コンプレッサーとつながれていて、空気圧縮→燃焼→排気のサイクルが連続的に繰り返される
 ただし、最初の始動時は、外部エネルギーによりコンプレッサーの回転、燃焼器内の温度上昇を与えてやらなければならない。小型ジェットエンジンの場合は以下のようなプロセスで始動を行う。
  1. バッテリーからの電力により吸気コンプレッサーに取り付けられたスターター(モーター)を回す
  2. 始動用ガスを燃焼器内に送り込み、空気と混合する。それにグロープラグで着火
  3. 燃料ポンプより徐々に液体燃料を燃焼器内に入れる
  4. 余熱が十分行われ、液体燃料の燃焼が確認されたら、始動用ガスの供給を止める
  5. スターターは引き続き回転数を上げていき、エンジン回転数が自律動作に十分なところまであがったら切り離される
 モンスター1号で使われているジェットエンジンは以下のような仕様。
 
  
最高推力 6.3kg
最高回転数 18万回転
排気温度 500−700度
重量 880g
大きさ 直径82mm、長さ232mm
燃料 ケロシン+タービンオイル(メイン燃料)
LPGガス(始動用)
 
ジェットエンジン
 
 ケロシンとはジェット/ロケット燃料のことで、Jet-Aや灯油といったもの。構造を簡単にするために、オイルを燃料に直接混合する混合燃料を使用している。120ccの燃料タンクを使用してますが、燃料はあっという間に無くなってしまいます。
 
 このジェットエンジンは4kgのモンスターを軽々持ち上げ、周りの物も吹き飛ばすすごい威力です。排気ガスも高温で、芝生の上で飛行すると芝生が焦げます。また、さすがジェットだけあって音がものすごいです。大学内の広場で実験をしていますが、一般の住宅地では騒音公害になるでしょうね。

燃焼実験
2006年12月撮影
WMVファイル1.1MB)