からくりNEOドミノ甲子園 2008年6月テレビ愛知より「8月にテレビ東京系列で放送される夏の特番からくりNEOドミノ甲子園で、小学生のサポートをしてもらえませんか?」との依頼を古橋研究室が受けた。収録が7月末ということで定期試験とぴったり重なるが、取りあえず話を聞くことに。地元のサポーターの方もいるということなので、できる範囲でサポートを引き受けることとなった。大学としては、「ハイテクゾーン」という部分を受け持つことに。挑戦するのは愛知県瀬戸市の瀬戸市立水南小学校の小学生たち。
結局収録当日も早朝まで作業。ちなみに、メインメンバー1名は朝一旦着替えに家に戻ったまま音信不通に。ちょっと横になったら寝てしまって気づいたら夕方だったとのこと。彼の担当部分のからくりの動かし方がわからずにあせりました。レポーターは矢口真里さん。小さくて小学生の中に溶け込んでいました。
からくりを作るのも大変だが、実は次のからくりとの間をどうやってつなぐのかも結構苦労した。アイデアの段階では個別のからくりのアイデアだけで、そのつなぎの部分はない。単純にドミノでつなげても面白くないので、何か良い方法はないかと小学校の校舎内の探索が始まった。そこで出てきたのが理科教室にあった「実験用てこ」。てこの原理を勉強するのに使うらしい。これを使って次のからくりの扇風機のスイッチを入れることに。ロボットが倒したねずみのボックスが「実験用てこ」につながっており、錘を落として"てこ"の原理で次のからくりの扇風機のスイッチを入れる。
お次のリクエストは、風に立ち向かうしゃちほこ。確かに、風上に車を向かわせるのは原理的には可能だが、いざ作るとなると大変そうだなと考えながら、取りあえず試作してみる。2つのタイプを製作し、「しゃちほこ」と「猫」が競争する形にする。予想通り、最初は風で押し戻される力のほうが強く、なかなかうまく動いてくれませんでしたが、改良を加えて空気抵抗や摩擦を抑えることによりうまく動くようになりました。ちなみに、片方には動滑車の原理が使われています。
お次のリクエストは、しゃちほこと猫が追いかけっこをしながら坂を上っていくというもの。物理法則に反するのですが・・・・て実はこれは、こんなこともできますよとこちらでアドバイスしたギミックで、重心さえ下がる方向であれば、タイヤは坂を登るようにできるというもの。ただ、暑さでタイヤが変形するため、調整が大変でした。
お次は、猫がしゃちほこを追いかけて、しゃちほこが逃げていくというリクエスト。磁石の反発を使って実現することに。当初は猫はオルゴールの回転力を使って進むように作られ、音を出しながらしゃちほこを追いかける予定でした。撮影朝までは。しかし、撮影直前になってトラブル発生。結局オルゴールの音は出さないことに成ってしまいました。当然オルゴールは回転が非常に遅いため、非常に地味なからくりとなりました。
次のリクエストは、水上のしゃちほこを水中の猫が追いかけて欲しいとのこと。水中はかなり抵抗があるので、実際動かそうとするとかなりのエネルギーがいります。そこで、ゴムの力を借りて船(しゃちほこ)に水中の猫を引っ張らせることに。ドミノを机から落としてその力でストッパーを外して船を進める予定・・・・・・・・が、ディレクターよりNGが出てしまいました。「ドミノが落下→からくりが動く」というのはカメラが追いつけないのでだめだという、テレビ的な事情からです。さあ、そこで困ったのが代案。ストッパーの位置がかなり上にあるため、紐か何かで引っ張らないといけないのですが、物を落として引っ張ることができないとなるとどうしたらよいか困ってしまいました。またまた校内を探索するも良いものが見つからず。そこで捜索範囲を広げて大学へ。そこで見つけたのが風船。古橋研の3次元視覚センサの研究で使用している測定サンプルですが、それを拝借。下がだめなら上です。浮力の力でストッパーを外すことに。風船ならゆっくりなので追いつけるということで、ディレクターよりOKが出ました。
結局ハイテクゾーンでは、電力、風力、重力、浮力といろんなエネルギーを使ったゾーンになりました。このチャレンジの最初には水力も使われており、小学生にとってはエネルギーには色んなものがあるという勉強にもなったのではと思います。 |