Vodafone Global Standard
FOMA World Wing
概略


 日本の通信事業者も海外でローミング利用できるようになって来ました。特に世界中でローミングサービスを展開しているのは、J-Phone(Vodafone)のVodafone Global Standard(VGS)とDoCoMoのFOMA World Wing(FWW)です。日本在住者で時々海外に出かかけるような人にはもっとも便利です。


各サービスの特徴

 各サービスは、以下のような特徴を持ちます。サービス内容的にはVGSの方が優れています。

各サービスの内容比較(2003年8月現在)
Vodafone Global Standard FOMA World Wing
  • 世界80カ国で音声通話(2003年8月現在)
  • 一部の国でのGPRSパケットデータ通信
  • 一部の国でのCSD回線交換データ通信
  • 一部の国でのSMS(ショートメッセージサービス)
  • 海外対応携帯電話の販売・レンタル
  • 世界67カ国で音声通話(2003年8月現在)
  • 海外対応携帯電話のレンタル

 主要国での料金は以下のようです。ただし、同じ国でも利用ネットワークにより料金は異なるので、最も安い料金を書いています。料金的にもVGSの方が若干安くなっています。特に、着信に大きな差が見られます。

各サービスの料金比較(円/分 2003年8月現在)
Vodafone Global Standard FOMA World Wing
国内への発信 日本への発信 着信 国内への発信 日本への発信 着信
アメリカ 125 140 150 125 140 175
イギリス 75 175 110 80 180 110
フランス 75 175 110 80 180 110
イタリア 75 175 110 80 280 110
ドイツ 75 175 110 80 180 110
オーストラリア 75 175 80 80 180 80
中国 75 175 70 75 175 145
香港 75 175 70 75 175 145
台湾 75 175 70 75 175 70
タイ 75 175 80 75 175 155

仕組み

1.日本との通話
ローミングサービス利用者が海外にいて、日本から電話をかけてもらう場合、相手は特別な操作は必要なく、日本にいるときの携帯電話番号にダイヤルしてもらうだけです。この場合、相手は日本国内分の通話料金を払い、国際通話部分はローミングユーザ側が払います。
一方、ローミング先から日本に電話する場合は、日本への国際電話としてダイヤルします。


2.国内通話
ローミング先で現地の電話機に電話をかける場合は、国内通話としてかけます。料金は国内通話料に成ります。相手は国によっては着信料がかかります。ただし、相手もローミングユーザの場合は、国際通話でかけます。この場合、日本までの国際通話料がかかります。また、相手には日本からローミング国までの国際通話料がかかります。
一方、相手から電話をかけてもらう場合は、日本への国際通話としてかけてもらいます。この時、相手には日本までの国際通話料金がかかります。自分は日本からローミング国までの料金を払います。


必要なもの

FOMA(左)とVGS(右)のUSIMカード

 これらのローミングサービスは、日本ではW-CDMA方式で、海外ではGSM方式が使われます。海外で使用する場合は、携帯電話に挿入されているUSIMというカードをGSM携帯電話に挿して使います。これをプラスチックローミングといいます。日本で使用している携帯電話をそのまま海外へ持っていって使えるわけではないので注意が必要です(一部日本/海外両対応の携帯電話もあります)。
 海外でローミング利用するには、各通信事業者(J-Phone、DoCoMo)との通常契約の他に、ローミング利用契約(契約手数料、基本料金無料)、海外対応の携帯電話が必要です。
 海外で使える携帯電話を手に入れるには、以下の方法があります。

  • 海外で販売されている携帯電話を購入
    購入方法は、以下で確認。ただし、SIMロックのかかっていない物を購入するよう注意してください。
     日本で購入
     
    現地で購入
     
    個人輸入
  • J-Phone(Vodafone)から購入
    J-Phoneでは、GSM機とW-CDMA/GSM複合機を販売しています。ただし、これらはSIMロックがかかっているため、FWWのUSIMや他の通信業者のSIMは使えません。VGSのUSIMと組み合わせて使ってください。
  • J-PhoneあるいはDoCoMoからレンタル

データ通信

 VGSはGPRSと呼ばれる高速パケット通信をサポートしています。パケット通信では時間ではなくデータ量で課金されます。速度は使用する携帯電話機に依存しますが、53.6kbps程度が一般的です。料金は2円/kB前後です。ただし、音声通話ができる国全てで使えるわけではありません。2003年8月時点の公式サポート国は19カ国です。GPRSは以下のような設定で利用できます。

Vodafone Global StandardでのGPRSの設定
 日本でのパケット通信の設定と同じです。
  APN(GPRS Access Point): phone
  User Name: ai@vodafone
  Password: vodafone
  電話番号:*99#

また、VGSでは一部の国で回線交換方式もサポートします。ただし、公式にはサポート国は公表されていません。回線交換方式の場合は時間課金で、速度は9,600bpsです。
 一方、FWWは回線交換方式のみをサポートします。サポート国についてはFWWも公開されていません。


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