遂にドコモも始めた国際ローミングサービス。J-phoneのVodafone Global Standard(VGS)とドコモのFOMA World Wing。今回は、これらの使い勝手をヨーロッパで試してみた。使用した端末はNokia6650。SIMロックはかかっていない。
FOMA(左)とVGS(右)のUSIMカード |
対応国:
2003年6月現在の各キャリアの公表対応国数は、VGS74カ国、WorldWing72カ国と良い勝負だ。では実際はどうだろう。ということで、ヨーロッパで使ってみた。
まずは、両者とも対応国としてあげているドイツのフランクフルト。GSMモードでVGSを使うと、"Vodafone
D2"が選択された。その他にも、3つのキャリアを掴む事ができた。一方、WCDMAモードでも"Vodafone
D2"の電波を掴んだ。しかしながらこちらはアクセスを拒否された。
Vodafone D2の下に J-PHONEの文字が |
全部で4つのGSM ネットワークを掴んだ |
WCDMAも掴んだが、 こちらはアクセス拒否 |
World Wingが選んだのはE-Plus。マニュアルでVodafone D2を指定してみたが、アクセス拒否された。当然といえば当然か。WCDMAについては、こちらもVodafone
D2からはアクセス拒否された。
E-Plusの下に NTT DoCoMoの文字が |
続いて、ちょっと変わった国でクロアチア。こちらはVGSもWorld Wingも非対応としている国。携帯電話の普及度は高い国だ。首都Zagrebと観光地Dubrovnikで試してみた。2つのネットワークを掴んだものの、やはりアクセス拒否。ローミング契約がやはり無いようだ。ちなみに、telstraのSIMでは2つのネットワークともに接続できた。
両サービスとも、日本へは+81-**********で発信できる。もちろん日本にいるときの携帯電話番号にかかってきた電話も、こちらで受けることができる。
ショートメッセージについては、VGSはVodafone端末との間は可能、World Wingは不可とされている。ではドイツでの実際は。以下のように、アナウンスされているのと同じ結果だった。
Vodafone | Docomo | telstra | |
VGS | ○ | × | × |
World Wing | × | × | × |
telstra | × | × | ○ |
ただし、サードパーティーのSMSやMMSサービスを使えば、キャリアを超えてSMSやMMS、e-mailができる。
日本語メールサービス uKLIPにもWAPで接続できる |
Vodafone Global StandardでのWAPの設定 Homepage: http://mobile.club.nokia.com(例) GPRS access point(APN): phone IP address: ゲートウェイアドレス(たとえば193.113.200.195) User Name:j@phone Password::jphone |
データ通信:
VGSの公式発表では、2003年6月時点で 13カ国でパケット通信(GPRS)が可能としている。回線交換方式(CSD)でのデータ通信については特に何もアナウンスされていない。一方、World
Wingについては、パケット通信は不可とされており、回線交換方式については何もアナウンスされていない。ということで、実際はどうなんだろうか。VGSがパケット通信をサポートするとしているドイツ。そこでの結果が以下である。なんと、回線交換方式でVGSだけでなくWorld
Wingでもデータ通信できた。ただし、回線交換についてはどこの国でも使えるわけではない。対応国は公表されていないので、実際に試して見ないとできるかどうかわからないといったところだ。
パケット通信 (GPRS) |
回線交換方式 (CSD) |
|
VGS | ○ | ○ |
World Wing | × | ○ |
Vodafone Global StandardでのGPRSの設定 日本でのパケット通信の設定と同じです。 APN(GPRS Access Point): phone User Name: j@phone Password:jphone 電話番号:*99# |
以上、両サービスとも使い勝手はまあまあ悪くは無い。サービスで言えばVGSが一歩進んでいるが、通話で使うなら同じようなものだ。ただ、コスト面では両サービスともあまり多用できる料金ではない。利用が多い人にとってはやはり現地でプリペイドSIMを買ったほうが安くつくだろう。緊急用として使うだけなら、かなり有用なサービスだ。
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