土木工学科の学習・教育到達目標

2016.May.

 

1.             専攻の教育理念

21世紀に入り、我が国は社会基盤整備を目標とした物造り重視の時代から、人間と自然との関わりを重視し、環境保全や資源リサイクルを志向する循環型社会の時代へと移行しつつある。本専攻では、これら社会のニーズを常に意識し、様々な視点から問題解決に立ち向かうことができる、自律の心を備えた中堅実務技術者の育成を教育目標としている。すなわち、官公庁・民間を問わず、企画・設計・施工に関わる各種実務の遂行において中心的役割を果たす技術者の育成を目指す。

中堅実務技術者の育成を教育目標の核とし、また本学の建学の精神である「自由・愛・正義」を基調として、本専攻の教育プログラムでは以下の3本の柱を教育理念の中心に据える。

1)人格の向上:人類の幸福・福祉を日々追求し、技術と自然との関わりに深い関心を持ち、愛と正義の下に技術者としての社会的な貢献や責任を志向する能力を養う。

2)専門知識の養成:防災、環境・生態系、造形や情報技術等のソフト面の知識を含め、土木工学に関する幅広い専門知識を養成し、かつ実践的な応用能力を養う。

3)応用能力の育成:自由な発想と創造力の下で真理を探究し、論理的思考に基づいて自己の主張を提示し、他の技術者と連携を図りながら問題を解決する能力を養う。

 

2.             学習・教育到達目標

 上記の教育理念を実現するために、以下の7項目の学習・教育到達目標を設定する。

(A)社会奉仕と国際貢献を思考する技術者の育成:

公共施設の企画・設計・建設に携わる土木技術者として、ボランティア活動の精神や地域の風土・歴史を理解し、かつ国際的な視点に立って社会貢献を思考する資質を養う。

(B)技術者としての責任・倫理観の育成

地球規模の環境・資源・防災問題を踏まえて、社会や自然に及ぼす技術の影響や効果を十分理解し、技術者としての社会的責任や倫理観を養う。

(C)実践的応用能力を目指した土木専門知識と技術の育成

数学・自然科学等の基礎知識に基づいて、土木技術者に必要とされる幅広い専門領域を横断的に学習し、実験・実習でその応用能力を養う。

(D)防災、環境・生態系と情報技術等ソフト面の知識・技術の育成

環境問題等に深い理解と知識を有し、かつ最新の情報技術に基づいて、情報を的確に収集・整理・活用する能力を養う。

(E)柔軟な発想と創造力に基づく問題発見・解決能力の育成

豊かな創造力に基づいて専門知識を実務に応用し、多方面の技術者と連携を図りながら社会のニ−ズや技術の進歩に沿って問題を解決し、具体的な形に仕上げる能力を養う。

(F)論理的思考を礎とするコミュニケ−ション能力の育成

論文・報告書等を論理的に記述・発表し、自己と相手の主張の相反・合致点を見出しながら討議・調整し、まとめ上げる能力を養う。

(G)技術者としての自主性と継続学習能力の育成

社会や時代の変化に対応できるよう、常に最新の技術・情報に目を向けて知識を吸収し、継続的・自主的に学習できる能力を養う。