卒業研究テーマ


水をテーマとして、湖沼・干潟・海域の溶解物や懸濁物の動き(物質循環)を知り、水質汚濁や富栄養化の対策を 検討するための原理・基礎を学ぶ。

●藤前干潟
干上がることによる空気の出入りで、溶解している化学成分・微生物など、がどのような変化をするかを求め、汚れきっている藤前干潟の環境修復を考察する。
  1. 干潟底泥間隙水中の浄化作用
  2. 潮だまりの浄化作用
  3. 河川・海水から沈殿物の堆積量を求める。干潟の底泥堆積速度の推定
●湖沼(深見池、ため池など)
富栄養湖の一次生産量や化学成分の年間を通しての動きを明らかにする。
  1. 一次生産量の測定
  2. 鉄・マンガンの動態
  3. 沈殿量からの堆積速度の推定
●中部国際空港島付近底泥
工事開始後の底泥の化学分析によって汚濁の様子を明らかにする
  1. 底泥の化学成分を定量(1cmごとの堆積物について、鉄・マンガン・チタンを測定)して、海底泥堆積の状況を求める
−研究の進め方−

 藤前干潟(名古屋市港区)は最大干潮時期を選び月1回。
湖沼は深見池(長野県下伊那郡)において月1〜2程度、季節を考慮して観測する。
中部国際空港島海域底泥は7月〜8月、9月〜10月を予定。
3地点とも調査に出かけるのは3月から12月までを予定。いずれも担当教員の車で出かけます。

−学生諸君に望むこと−

いずれのテーマもフィールド観測が主体となり、このために、外に出かけ自然と過ごす機会が多い。
観測前の準備と帰ってからの処理があり、調査する学生が楽しんでやれることが必要となる。
1回の調査で必要な時間は、準備1日、当日1日、その後の分析処理2日〜4日が必要となり、集中力が望まれる。
週1回は講読(文献の読み)を行う。
また、データー処理はコンピューターを使用して行うので、エクセルが必須となります(操作は徐々に指導します)。

−卒業に必要な科目−

専門教育科目の自然科学(化学T,U)および環境系分野(生態学、生物学、生態環境工学、環境材料、環境化学・微生物と環境保全T,U)はもちろん、
水に関する水文学、水理学T、U・演習、河川工なども履修して欲しい。
さらには、卒論ゼミを仕上げる過程で必要となる情報処理は是非とも身につけておきたい。